不妊治療をした場合の医療費控除について

川崎市元住吉のオズ通り商店街の片隅で営業する税理士トノヤマです。

ドラマ「コウノドリ」、毎回泣けますね。
僕もベイビーのピアノを練習したくなります。(ほとんど弾けませんが)

念願の赤ちゃんのために不妊治療をがんばってる方もたくさんいらっしゃいますよね。
そこで、今日はそのような方々に向けて税制上の注意点を書きたいと思います。

不妊治療にかかった費用は確定申告で医療費控除の対象

これはご存知の方も多いと思います。

医師による診療等の対価として支払われる不妊症の治療費及び人工授精の費用は、医療費控除の対象となります。(所得税法施行令第207条)

普段年末調整だけで完結しているサラリーマンの方は、あえて確定申告をする必要があるということです。

基本的な医療費控除の計算方法

医療費控除の計算式は下記になります。

はい、出ました「総所得金額」。
こういう用語が登場するから税金めんどくせーってなりますよね(笑)

サラリーマンの方は、年末にもらう源泉徴収票に記載されている「給与所得控除後の金額」欄の数字がそれです。
もっとザックリ言うと、年収が311.6万円以上の方は①の算式になります。

結構誤解されている方が多いのですが、医療費控除の額と少なくなる税額はイコールではありません

少なくなる税額の具体例は下記で解説します。

自治体からの助成金はどうすればいい?

僕の住んでいる川崎市でも「不妊に悩む方への特定治療事業」というのが実施されています。

所得の要件などいろいろありますが、それらを満たすと体外受精および顕微授精(特定不妊治療)による不妊治療に対し、治療費の一部を助成してくれます。

具体的には、

1回の治療につき上限額15万円(ただし、治療内容CとFは上限額75,000円)まで助成します。
初回の治療に限り上限額30万円(ただし、治療内容CとFは除く)まで助成します。

というものです。

(川崎市のHPより)

これ、申請しなければもらえないので要注意です!!

申請時期も治療が終わってから60日以内で、1日でも過ぎると例外なくアウトです。

お住いの自治体のパンフレット等は必ず熟読するようにしてください。

具体的な税額のケース

<前提条件>

年収:500万円
不妊治療代:100万円
助成金:30万円

①の式より、医療費控除の額は60万円(100万円-30万円-10万円)になります。

他の控除の内容にもよりますが、所得税率は5%か10%ですので、所得税は3万円もしくは6万円減額されます。
住民税は一律約10%ですので、6万円。

合計すると9万円もしくは12万円減額ということになります。

治療と助成金のタイミング次第ではちょっとややこしい

不妊治療の助成金ですが、申請時期によっては年末において申請中だけどまだ受給していないという状況もありえます。
こういう場合は、助成が決定された場合の金額はわかってますので、確定申告は助成金額を控除して計算します。

また、年末時点ではまだ不妊治療中で、翌年に治療がおわり申請を出す方もいらっしゃるかと思います。
この場合は、助成金の総額を治療費のその年の割合で按分してその年の医療費から引きます。

個人的には年収が大きく変化しないのであれば、前の年に助成金の総額を入れてしまってもいいような気もしますが(または治療費の総額が確定してから更正の請求)ケースバイケースですのでお近くの税務署に相談してみてください。

まとめ

体外受精などの不妊治療代は高級車が買えるほど負担がかかります。
それだけでなく、ご夫婦にとって精神的、肉体的な負担もかなり大きいものです。

僕的には政府も少子化対策というならもっと助成額を上げてもいいし、それができないなら税制での優遇をもっと大きくしてもいいような気がします。

いずれにせよ、手続きは期限までに正しくしておかないと、国や自治体への手続きについては融通が絶対に利きません。

先手必勝で行動するようにしてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年岡山県生まれ。 横浜国立大学卒業後、大手住宅メーカー、税理士事務所を経て独立開業。自分のクライアントを100%黒字経営とキャッシュリッチにすることをモットーに、税務会計に留まらない経営者のよき相談相手として日々奮闘中。 趣味:絵を描くこと、読書