事業をはじめるなどちょっと多めのお金が必要な場合で親族からお金を借りることはよくあることです。
ただし、もう返済してくれなくていいと親族間で普通に金銭をあげてしまうと(年間110万円超)、当然に贈与税の対象となります。
じゃあ契約書だけとりあえず作っておけば大丈夫!と思って形式だけ整えても、そんなに税務署は甘くないというのが現実です。
そこで、今日は親族間のお金の貸し借りが贈与とならないためにできるだけどうしておけばいいか、まとめてみます。
Contents
金銭消費貸借契約書を締結する
まず、金銭消費貸借契約書を作成します。
契約書には金額、返済期間、利息、返済方法などを記載して、契約を行う双方が署名捺印します。
具体的には下記のような項目を記載します。
実印で収入印紙も忘れずに。
<契約書に記載項目>
契約書作成日
借入金額
実際にお金を貸した日
返済方法・返済期日
利息
遅延損害金
期限利益の喪失
借主の氏名・住所・押印
貸主の氏名・住所・押印
返済期間・返済金額を設定する
子が親から借りる場合などは、親が返済終了時点で120歳というような通常では生存していない年齢まで返済期間を設定すると返済の意思を疑われても仕方ありません。
せめて平均寿命あたりが最長と考えておくべきでしょう。
もっと現実的には通常の事業融資の期間(5年、7年)にしておけばよいでしょう。
また、返済金額も返済が現実的に可能かどうか(借主は返済しても生活していけるか)なども考慮して常識外れの金額にしないことが重要です。
利息を設定する
常識からかけ離れているかどうかが論点になりますので、事業資金ではあれば1%程度でいいかと思います。
必ず返済し、返済の証拠を残す
いくら契約書を締結しても返済の実績がなければ当然贈与と言われかねません。
契約した内容に沿って利息も含め支払うことが必須です。
さらに、現金ではなく確実に銀行振込を行うことで、確証が残ります。(振込票やネットバンキングのコピーなど)
貸主は基本的に確定申告が必要
貸主側は受け取った利息が所得税の雑所得に該当しますので、確定申告が必要です。
ただし、ほかの収入が給与や年金のみの場合は、利息の収入などを含めた雑所得が年間20万円以下であれば確定申告は不要となります。
まとめ
親族間ですと一言で「お金貸してよ」「いいよ」で済む話が多いかもしれませんが(実際は土下座しているのかも・・・)、形式と実績をきちんと残しておくことではじめて税務署から指摘されたとしても対抗できます。
めんどうではあっても実際に銀行から借りることを考えるとそれほど大変なわけではありませんので、最低限のことはやっておきべきではないでしょうか。