大阪城公園のたこ焼き店巨額脱税事件について思うこと



川崎市中原区元住吉オズ通り商店街の税理士、トノヤマです。

昨年ですが、大阪城公園でたこ焼きなどを販売する飲食店がまさかの1億3千万円を脱税した事件がありました。

そこから一般の納税者の方にも気をつけてほしいことなど、税理士の視点から解説いたします。

事件の概要

概要としてはこのような内容です。

ラベル名
大阪城公園(大阪市)内でたこ焼きなどを販売する飲食店を経営し,売り上げなどから得られた所得を隠して脱税したとして,所得税法違反罪に問われた店主の被告人(72)に対する判決公判が開かれ,増田啓祐裁判長は「脱税額が3年で約1億3千万円という結果は重大」として懲役1年,執行猶予3年,罰金2600万円(求刑懲役1年,罰金3900万円)を言い渡した。増田裁判長は判決理由で,被告人が公判で「納税方法が分からなかった」と述べたことに触れ,「分からないのであれば,税務署などに相談すべきだった」と非難した。判決によると,被告人は平成26から28年までの3年間で,約3億3千万円の所得があったのに全く申告せず,所得税計約1億3千万円を脱税した。

簡単に言えば、儲けが3年間で3億3千万円もあったのに確定申告をしていなかったというものです。(実際は40年間無申告)

で、これを聞いたとき、誰しも思ったはず。

たこ焼きってそんなに儲かるの?

大阪城公園のお店は1パック(舟)8個で600円だそうです。

3年間で3億3千万円ということは平均すると1年で1億1千万円の所得。

おそらく上記のケースですと経費を何も計上していない(帳簿も領収書もないため)でしょうから、

計算の都合上売上も1億1千万円ということにしておきましょう。

ちなみに、「売上-経費=所得」です。

1億1千万円÷600円=年間183,333パック

183,333パック÷12ヶ月=月間15,277パック

15,277パック÷25日(稼働)=1日611パック

611パック÷7時間(営業)=1時間87パック

たこやき以外にソフトクリームや焼きそばも売っていたようですので、

単純にたこ焼きだけのパック数ではないのですが、他のも合わせてそのくらいのものが売れているということです。

結構ひっきりなしだと想像できます。

近年のインバウンド市場の増加でかなり売上が伸びていたようです。

税務署はどうしてわかったんだろう?

当然ながら公表されていないのでハッキリとしたことは言えません。

ただし、以前より目をつけていて調査に踏み切ったのは事実です。

可能性としては、

・非常に立地のいいところで営業しているので、儲かっているのが税務署から見ても明らかだった

・取引先の記録から

・誰かのタレコミ(以前にも国税庁のタレコミサイトについて記事を書きました)

・お店の情報はないが、実際には娘さんが何棟かビルを所有していたらしく、ビルの登記情報などからその資金源をたどった

などが考えられます。

消費税の申告もしていないはず

報道はされていませんが、これだけ売上があれば当然消費税の納税義務者です。

言うまでもなく消費税も無申告でしょう。

税込み600円だとしても売上1億1千万円であれば、

1億1千万円✕8÷108=814万円

控除する消費税も帳簿や領収書がないと引けませんので、そのまま納税額となります。

3年間で2,400万円(これに無申告加算税、延滞税等が加算される)です(!)

無申告の方は今すぐ最低3年分遡って申告した方がいい

裁判長もおっしゃってるように、納税方法がわからなかったから申告しなかったというのは・・・

ちょっと社会人としてどうなんでしょう(^_^;)

このケースのように脱税とされます。

サラリーマンの方は確定申告していなくても、他に所得がなければ年末調整ですべて完結されていますので、

このような心配はありません。

正直税理士に依頼が来たときには、過去数年間よくわからなかったので申告していないという方もいらっしゃいます。

そのような方は今すぐ過去3年分は申告しましょう。

ただし、無申告の期間の税金については、

・無申告加算税

・延滞税

などの過怠税(ペナルティー)が課されることがありますので、ご承知おきください。

だからこそ、申告期限内に手続きを行っておくべきです。

そうでないとマジメな人が損する社会になってしまいますので。

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ABOUTこの記事をかいた人

トノ

1977年岡山県生まれ。 横浜国立大学卒業後、大手住宅メーカー、税理士事務所を経て独立開業。自分のクライアントを100%黒字経営とキャッシュリッチにすることをモットーに、税務会計に留まらない経営者のよき相談相手として日々奮闘中。 趣味:絵を描くこと、読書