わたしたち税理士にとっては常識であることも、
普段経理に接していない方々にとっては違うことも多々あります。
知らず知らずのうちに脱税行為になっていることもあり、税務調査で知らないを連発しても受け入れてもらえない可能性も否定できません。
今回はそんな事例として、売上や収入を計上する際の注意点についてです。
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売上・収入は総額で計上
まず原則として覚えておいていただきたいのは…
会計の売上や収入は総額で計上する必要がある
ということです。
たとえば、フリーランスとして数店舗のサロンで働く美容師さんがいるとします。
お客様からいただく10,000円の中から50%の4,000円をサロンに場所代として支払っている場合、美容師さんは6,000円を後からサロンから受け取ります。
この場合の収入金額はいくらでしょうか?
まぁ総額と先に言っていますので、10,000円ということになります。
実は意外に6,000円で計上している方もいらっしゃって驚いたことがありますが、
これは間違いです!!(強め)
なぜダメなのか?
結局6,000円に対して税金かかるから一緒じゃねぇの?
という方もいらっしゃるかもしれません。
この6,000円って所得税の計算上は「所得」なんです。
所得=収入−経費
です。
利益と考えてください。
そういう会計的なルールの問題、これが一点。
もう一点は、消費税です。
消費税は原則として2年前の売上や収入が1,000万円を超えている場合に申告して納税する必要があります。
2年前の売上をすべて先ほどの6,000円ベースで計上していて、その合計720万円で申告しているとします。
しかし!!
この方の本当の2年前の売上は1,200万円です。
ということは…
今回は消費税の申告と納付が必要になるわけで、これが無申告ということになってしまいます。
どのくらい税金払ってないことになる?
簡単にシミュレーションしてみます。
売上1,200万円×8%=96万円
消費税の簡易課税制度を使ったとすると、ここから半分控除できるので48万円。
50万円近く納付していないことになります。
さらに、
ここに無申告加算税(15%)、延滞税(期間による)、故意に処理していた場合などは重加算税(40%)もかかってきます。
しかも一括払い。
私もおそろしいです。
言われる前に申告する
心配な方は所得税の申告を正しくやり直して、
とにかく早めに消費税の申告を行なってください。
自ら申告すれば状況によっては免除されることもあります。
そして、以後は期限内にきちんと集計して計算していただきたいと思います。